彩の手紙
その2


 なんだかんだと高校卒業し、進路は高校1年生から
決めていた調理師学校へと…。
がぁっ…。四月入学し…。五月入院…。
まだまだ病気の現実をきちんと見ることができず…。
悔し涙の彩…。
 神様のアホッアホッ。彩の邪魔するな。

 さぁてぇ、彩の入院生活スタート…。
お父さんお母さんごめんねぇ。
彩は親孝行何一つしていないねぇ
と思えるようになった。
高校卒業して、一つ大人になったのだろかぁ…。
弱音を出したくない気持ちが強くなってきた。
苦しい痛い辛い言わへんよ。
それが親にしてあげられる彩の精一杯だぁ。

 そして5月、母は私に…。入院中の彩の所に来て…。
しゃぼん玉を…。
彩は…中庭で一人しゃぼん玉をふいた…。
元気のない彩は自分自身をしゃぼん玉で励ました…。
涙が沢山出た…。病気さえなければと…。
皆に迷惑かけなくていいのに…。
やりたいこといっぱいあるのに…。

 ある日いつもどおりしゃぼん玉を中庭で…。そしたら
2階から彩の姿を見るおじいちゃん、おばあちゃん。
こっちを見て微笑んでくれる。彩は…その笑顔を見て
元気が出てきた…。病院の人達は彩のことを
「しゃぼん玉のお姉ちゃん」
って声をかけてくれるようになりました。
そして母は…。しゃぼん玉を一ヶ箱買ってきてくれた。
彩は中庭で皆の笑顔を見るため、しゃぼん玉を吹いた…。
病院の中庭はやさしい色したしゃぼん玉であふれ、彩は
沢山の笑顔にかこまれる毎日で…。
元気の自分が、いつもの彩となっていく…。

 そしてしゃぼん玉の一ヶ箱も1ヶ月でなくなり…。
外は日差しが強くなり、彩は麦わらぼうしをかぶり…
じょうろを持ち…。そしたら今度は病院の人達
「麦わらぼうしのお姉ちゃん」
って読んでくれるようになりました。
病院へ通退している人やお医者さんと沢山の人が、
彩に声をかけてくれるようになりました。
そして彩は毎日水やりの入院生活。
治療法はない体なので…。
いつもお医者さんの診察だけの入院生活。

 水やりをしているうちに、土の上から芽が出た…。
毎日水やりしているうちに…。彩に観察力がつき…。
絵を描く様になりました…。そして…

 今…。伊勢病院に彩の場所をいただき、言葉、絵、詩
が展示してあります。
これからも病院に展示していきます。
時々売ってほしいの声もかかり、今の彩どうしたら…?
握手したりと…写真撮っていいですかの声がかかったり…。
涙しながら彩の絵を見てくれるおじさんおばさん。
沢山の優しさがあり、彩は精一杯生きています。
 修行の結果。神様ありがとう。
彩に病気を与えてくれて…。
宝物と思える今、19年しかまだ生きていないけど、
幸せ感じます。生きることに…。

 作品が沢山ありすぎて…。全部見てもらいたい気持ちで
いっぱいです。沢山の人に見てもらいたい。彩の生き方を。
19歳、精一杯両手を広げ大空見上げ生きています。
自分の生き方大好きで、周りに何か言われても自分は自分。
十人十色、現実は病気と戦わなくては…。
 今の彩は現実をしっかり見、鏡の自分をしっかり見、
沢山の優しさに出逢い毎日幸せです。

 自然の遊ぶのが大好きな19歳松原彩は鳩さんにおやつを
あげることが今楽しみです。伊勢神宮の鳩さんに…。
ほのぼの生活…。ただいま自宅安静中。
通院は2週間に1回しています。
気分しだいで、病院への展示は1ヶ月に2回ぐらい張り替えを
しに出かけます。

 人間…。命あるもの生きるもの…。生きようとするもの…。
皆幸せであれ。そう願う…。
 彩は生きている今の自分のことが凄く好きだ…。


彩の手紙
パート1
彩の手紙
パート2

トップページ その1 その2