彩の手紙
パート1


 昭和56年7月17日、彩はこの世に生まれました。
彩の瞳に一つの光。はじめまして彩の父ちゃん
母ちゃん兄ちゃん、そして笑顔で迎えてくれた
優しい人達…。
 彩はうぶ声を精一杯上げたあの日から、この世に
生まれた瞬間、彩は自分の出来る精一杯を覚えた。
 「彩」という名前は父母が名付けてくれました。
意味は、つや、光り、美しい模様、美しい輝き、
いろどる。父母は
「何処に行っても彩る様に…」
と、名付けてくれました。彩は大切な名前と共に
輝きたい。

 彩は高校2年生の夏、原因不明、全身の炎症を伴う
慢性の病気に突然なってしまいました。
原因不明なので治らないと言われています…。
治らない病気と言われていますが…
彩はこう思う…
「気」とは自分で作るものだと…。
強気、弱気、笑気、短気、勇気、本気、そして…。
彩が持っているのは病気…。
自分で作る気持ち、自分で治せられる心意気だと!
 病気を持ち約2年半経った今、病気のことを「宝物」
だと思えるようになりました。それまでは
「これさえなければ…。病気さえ無ければ…。」
と思っていました。だけど宝物だと思える今、
「これさえなければと思う時…。それが宝物だと
気付いた時、彩の瞳に一つの光り。」
 この気持ちになるまで約2年半の戦いがありました。
病気との戦い、体の痛みとの戦い、心と心の戦い、
自分自身との戦い…。
誰にも真似することの出来ない修行を約2年半。
 彩は無敵、彩の敵は彩なんだぁ
 本当に強い人間って…。
 本当に強い生き物って…。
 誰かと戦う前に自分自身と戦い、自分に勝った人の
ことを言うだろう…。
 これはあくまでも彩の考え、思いであり…。
 毎日精一杯生きています。今の彩の体は薬で生きて
いますが…。彩は毎日の生活「心」で生きています。
泣いたり笑ったり怒ったり、どんな自分も好きだから、
素直な自分好きだから毎日幸せでいられます。

 高校生活。入院退院の生活。体育大好き、スポーツ
大好きの子だったのに…。病気になり、おもいっきり
走ることができなくなりました。
病気を持つまではバレーボール、バドミントン、柔道
マラソン、元気が取り柄のこでした。突然なことに…
不明の病気…。
 高校生活。父母ごめんなさい…。たくさん迷惑かけ
ました。病気のことをなかなか受け入れられることが
できず…。
 荒れるに荒れ狂う毎日で、母の目にはいつも涙の生活。
学校でやりたいことができない彩は、テストは白紙、
トイレでさぼり…授業は耳にしない…。だけど責任感
だけは自信有り、キャプテン、室長としていました。
キャプテンだからこそ、自分、動くことできないのに
人に指示をするのは辛いのがありました。なにもかも嫌
と思う毎日…。
 入院したり退院したり…。自分が嫌いだった。自分の
ことをしっかり鏡で見ることができなかった。

 皆一人で泣く時あるだろう…。
 彩はいつも二人で泣くんだぁ。
 鏡を見て泣くんだぁ。そうするともう一人の自分、
もう一人の彩が一緒に泣いてくれるんだぁ…。
 でも、もう一人の子には笑って欲しいから、彩は笑う。
そうすると、もう一人の彩が鏡の自分が笑うんだ。
だけどやっぱり病気のこと、受け入れることできず…。
病気さえなければ…。
 辛いのは彩だけではないと、いつも胸にあり…。
悔しさの日々、親を泣かす、荒れ狂う彩…。
「頼むから高校だけは卒業してほしい…。」
親からの一言。
「今すぐ治してくれたら、あんたらの言うこと聞いたろ。」
の彩の一言。
涙を浮かべる親の顔。
「変わってあげられるなら、代わってあげたい。」
と親は泣き泣き言う…。
 高校生活。夜は遅く帰り心配ばかりかけていた…。
親の涙見たくなかった。自分なんてどうでもよかった。
病気のこと忘れたかった。自分に、病気に甘えている
自分が嫌いでしかたなかった。
 入院退院生活し、病室の5階から下を見下ろし自分と
さよなら。死を考えた時もありました。病気…。毎日遊ぶに
遊び、校長室の出入りが多く、親の学校への呼びだし…。
 現実はやっぱり病気。叫んでも怒っても誰かをにらみつけ
ても…。やっぱり現実は病気…。悔しい…。現実をしっかり
見ることができずの生活を、高校生活送りました。


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